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ぼくが大学院に横浜市立大学の医学研究科を選んだ5つの理由

研究 大学院

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どうも、化学系研究者のかみざと(@yoshito410kam )です。

今日は、ぼくの進路に関する話をします。

ぼくは、茨城大学の理学部で生物を専攻していたのですが、大学院からは横浜市立大学の医学研究科に進学しました。

外部の大学院に通う人はあまり多くはないと思うのですが、ぼくは研究者としてもっと成長したかったので、院試を受けて外部の大学院に進むことを決めたのです。

 

ここが人生のターニングポイントだ。

 

そう思いながら、大学院入試に向けて、必死に受験勉強をしました。

試験科目はぼくの苦手な英語だったので、1日13時間以上は勉強をしました。

時には、居酒屋のバイト中も仕事をしながら、ちょっとしたスキマ時間にメモ帳に書いた英単語を見て、暗記をしていました。(店長すいません)

 

なので、院試に合格できた時は本当に嬉しかったです。

そして、実際に大学院に通ってからは、それまででは経験したことがないような様々な実験をする中で、研究者としての実力を伸ばすことができました。

大学院での2年間は、間違いなくぼくを精神的にも技術的にも成長させてくれました。

苦しい時もありましたが、途中で諦めず乗り越えることができて本当に良かったです。

 

この記事では、「なぜあえて外部の大学院である横浜市立大学の医学研究科に進学したのか?」という理由についてお話ししたいと思います。

これから大学院への進学を考えている方は、進路を考える上で参考にできる部分もあると思うので、よかったらお読みください。

 

 

1. マウス(哺乳類)を用いた実験ができる

上のマウス(研究分野ではネズミをマウスと呼ぶことが多い)の画像を見て、「えっ?なぜその画像?」と思われた方も多いと思います。

実はぼく、大学院ではマウスを用いて不妊治療(男性不妊)の研究を行っていました。

哺乳類であるマウスを用いることで、研究者として成長するための貴重な経験ができたのです。

 

人への応用を考えた研究

不妊治療の研究にマウスを用いる大きなメリットは、哺乳類であるということです。

なぜなら、同じ哺乳類であるマウスを研究すれば、私たちの体の中でも、どのようなメカニズムが働いて男性不妊が起こるのかを調べることができるからです。

これは余談ですが、マウスの遺伝子は現在わかっている限りではほとんど人間と同じなのです。

だからこそ、マウスを研究することが人の体のメカニズムを理解することにつながります。

 

ぼくは、大学の頃は発生生物学を学んでいたのですが、その時研究に用いていたのはショウジョウバエという小さなハエでした。

確かに、ショウジョウバエは発生生物学の研究対象としては優れた生物です。

しかし、ハエと人間とでは体のつくりがまるで違うため、その研究成果をすぐに人と結びつけて考える事ができないのです。

そのため、哺乳類であるマウスを用いて研究をすることができるという話を聞いて、医学研究科にとても魅力を感じました。

 

命に対して真剣に向き合う

マウスを実験動物として用いることによって、「現在の医学は動物たちの犠牲の上に成り立っている」ということを身を持って認識することができました。

大学院に進学する前から、動物を用いて医学の研究が行われていることは頭では理解していたけれど、いざ自分がそれをやる立場になるとやっぱり気持ちは荒れるものでした。

そして、改めて人間は残酷だということを強く考えさせられるようになったのです。

 

人間のために、医学の進歩のために、たくさんのマウスの命を奪っていいのか?

 

入学してからしばらくは、ずっとそのことについて考えていました。

「絶対にここで成長してやる!」と意気込んでいた最初の頃の気持ちとは対象的に、動物実験をやり始めてからはだんだんと「人間は本当に自己中心的な生き物だ」と考えるようになり、あまり実験に気が進まなくなってしまっていたのです。

正直な話、入学してから一ヶ月くらいは、マウスを用いて実験することに対して疑問を抱きながら、それでも自分の気持ちを押し殺すように無理矢理実験をしていました。

ですが、そこからもう少し深く考えてみると、「よし、研究を頑張ろう。」と自分の中で納得がいく一つの答えにたどり着くことができました。

 

確かに医学の発展のために、他の動物の命を犠牲にしている。でも、それでも人間は医学を発展させることを選んだ。研究者は、そういう人間の悪い部分も背負いながら研究しないといけない。

 

結局、マウスの命を奪うことに罪悪感を感じていても、自分の家族や友達が重い病気で亡くなれば、やっぱりすごく悲しいだろうし、そういう状況になると「もっと医学が発展していれば」と絶対に思うだろうなと。

そして、医学を発展させることはぼくだけでなく、多くの人が望んでいることなんだろうなと。

そういうことを考えると、人間を守るための自己中心的な考え方ではあるけれども、やはり研究は進めなければいけないなと思うようになりました。

 

動物の命のおかげで現代の医学が成り立っているということを身をもって理解できたのも、人間が自己中心的な生き物であると改めて考えさせられたのも、一つ一つの実験に責任を感じながら取り組めるようになったのも、全てはマウスを用いて研究を行った経験から得たものです。

未熟な立場ながらも、こういうことを考える機会を与えられたことで、少しは研究者として成長できたのかなと思います。

こういう感謝の気持ちは絶対に忘れず、これからも研究をしていきたいと思います。

 

こういう経験は、茨城大学に残ったままだったら絶対にできなかっただろうなぁ〜。

 

2. 不妊治療(男性不妊)の研究ができる

さきほど少し書いたのですが、ぼくは大学ではショウジョウバエを用いて研究をしていました。

確かにその研究もすごく重要でやりがいのあるものだとは思うのですが、やっている内容が基礎研究(基本原理を明らかにする研究)であったため、いまいち何のために実験をしているのかがわからず、あまりモチベーションが上がらなかったんです。

だから、横浜市立大学の研究室に訪問して「不妊治療の研究ができる」と説明を受けた時には、「人の生活に役立つ研究ができる!」とめちゃくちゃテンションが上がりました。

 

ぼくの性格的に、目的が明確な方がモチベーションを高く保ちながら研究ができるので、人の疾患に関する研究を行えるとわかった途端、「ここで研究がしたい!」と思うようになったんです。

 

3. 環境が充実していた

横浜市立大学の医学部は研究設備がかなり整っていて、共用や実験室で使用できる装置も、とても充実していました。

 

この環境で2年間過ごせば、色んなスキルを身につけることができる。

 

そう確信を持てるくらい、最高の環境でした。

ついでなので、「大学院にどういう設備があったのか?」「そこでどういうスキルを身につけたのか?」についても、まとめておきたいと思います。

なかなか他の学校では使用することができない設備を使うことができたり、生物学の研究をする上では基本的なスキルを身につけることができたりと、大学院の2年間で得たものはたくさんありました。

ほんといい経験ができたなぁ。

 

実験設備

横浜市立大学の医学研究科は共用で使える設備が充実していて、ものすごくハイスペックな装置もありました。

そのおかげで、「やりたい実験があるけど設備がない」なんてことは一度もありませんでした。

研究環境にはかなり恵まれていたと思います。

 

電子顕微鏡

普通の顕微鏡は、サンプルに光を当てて観察するのですが、電子顕微鏡では電子を当ててサンプルを観察します。

電子を使うと、光よりも細かい部分まで観察することができ、なんと高性能の電子顕微鏡を使えば原子レベルの大きさまで確認することができるのです。

 

人の体、動物、植物、地面、機械、水、、、、、挙げればきりがないのですが、全ては原子でできています。

その基本単位を目で見ることができるって、なんだか不思議な気持ちになりますよね。

電子顕微鏡で見る世界はとても面白いので、機会があれば一度は見てみることをお勧めします。

 

次世代シーケンサー

生物の全遺伝子のDNA配列を調べることができる装置で、詳細な値段はわかりませんがかなり高額な装置です。(適当)

研究室見学の時に、一回使用するにつき100万円のコストがかかると説明されました。

 

遺伝情報いらないから100万くれ

 

話を聞きながら、ぼくは素直にそう思いました。

研究ってお金がかかるんですね。

ぼくは残念ながら使用する機会はなかったのですが、もし今後使うチャンスがあれば無意味に100回くらい使ってみたいです。

 

動物センター

大学院では、マウスの他にも、ラットや犬など他の動物も実験に用いられていました。

それらの生物は、逃げ出して生態系を壊さないように、一つの施設できちんと管理されていたのです。

 

この動物センターでは、遺伝子組換えマウスの交配をしたり、遺伝子情報を調べるためにサンプルを採取したり、特定の餌を与えて状態の変化を見たり、注射をして薬剤の効果を見たりと、様々な動物実験を行いました。

動物への感謝を忘れず、一つ一つの実験に責任を持つことの大切さを、この場所で学びました。

 

蛍光顕微鏡

細胞や組織のタンパク質を、抗体を使って蛍光色素で染色し、そのサンプルを観察するための顕微鏡です。

ぼくのテーマは、この免疫染色がメインだったので、この顕微鏡にはかなりお世話になりました。

時には、暗い部屋の中で8時間以上こもることもあり、精神的にも結構きつかった思い出があります。

我ながらよく乗り越えたなぁ。

 

FACS(ファックス)

これは、たくさんの細胞が入っている液を流すと、その中から一つ一つの細胞をその特徴によって振り分けることができるという、素晴らしく繊細でハイスペックな装置です。

これにより、成熟した細胞と未成熟な細胞を分けたり、生きている細胞と死んでいる細胞を分けたりといったことができるようになります。

 

ちょっと大雑把に、FACSの原理について説明します。

まずは、死んでいる細胞を染色できるような抗体を使って、死細胞だけを染色します。

 

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そのあと、FACSに流すことで染色されている細胞をレーザーで検出し、そのデータをもとに電気的な力を使って、生きている細胞と死んでいる細胞を一瞬で分けます。

 

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この装置にも、大学院時代はよくお世話になりました。

マウスの精巣の中から、調べたい特徴を持った細胞だけを集める時に、この装置を用いて必要な細胞を集めていたのです。

ただ、実験は朝早くからスタートしないとその日のうちに終わらせることができなかったため、この実験をするときは正直言ってかなりめんどくさかったです。

冬場の早起きは、ほんとつらかった。

 

学んだスキル

大学院では、自分の研究テーマだけでなく、先輩の仕事も手伝う事で、様々なスキルを身につける事ができました。

 

動物実験

マウスの持ち方に始まり、注射の打ち方や組織の固定の仕方、サンプルの回収の仕方など、動物実験で必要なスキルを一通り身につける事ができました。

 

何度も書きますが、この実験を通して命について改めてよく考えるようになりました。

今でも、マウス達にはとても感謝しています。

ちなみに、横浜市立大学では実験動物のための慰霊祭も毎年行っています。

 

免疫染色
免疫染色とは、抗体に蛍光色素をつけ、その抗体がタンパク質にくっつく事で、どのタンパク質がどこにあるのかを調べる方法です。
さきほど説明したFACSも、この免疫染色を使って細胞を染色しています。
 
免疫染色に関しても、ざっくりと説明します。
まず、調べたいタンパク質にだけくっつく一次抗体を使って、そのタンパク質が本当に細胞に存在するのかを調べます。
もし、目的のタンパク質が細胞に存在すれば、一次抗体がそのタンパク質にくっつきます。
 

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そして、次に一次抗体にのみくっつくことができる二次抗体を使用します。

この抗体には、蛍光色素が付いているので、細胞の中でも一次抗体がくっついたところ。つまり、目的のタンパク質が存在するところだけが蛍光色素で染色されるということになります。

このようにして、目的のタンパク質を染色し、先ほど説明した蛍光顕微鏡で観察することで、細胞のどこにどのようなタンパク質が存在するのかを調べることができるのです。

 

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マウスの精巣で正常な精子が作られるためにはどのタンパク質が重要なのか?」ということを調べるため、この免疫染色を使って精巣内に存在するタンパク質を調べていました。

 

PCR(ピーシーアール)

PCRは、遺伝子組替えマウスに、きちんと狙い通りの遺伝子が組み込まれているのかを確かめるために、特定の遺伝子だけを増幅させる実験です。

大学院時代は、飼っているマウスの種類が多かったため、かなり頻繁にPCRを行いました。

あれはほんとに大変だった。

無駄に種類多すぎだろ。

 

詳細な説明は省きますが、このPCRに関しては、基本的なものから、RT-PCRやrealtime-PCRなどの少し複雑なものまで、幅広く学ぶ事ができました。

 

細胞培養

細胞培養では、培養液に特定のタンパク質を加える事によって、細胞の成長や動きにどういう変化が起こるのかを確かめていました。

実験をする時に雑にやってしまうと、培養液にカビが混入して実験に使えなくなってしまいます。

入学してすぐの頃、細胞培養に慣れていなくてカビを生やしてしまい、教授に説教されて「こいつうるせぇな。」と思ったことを鮮明に覚えています。

 

 

 

以上が、ぼくの大学院にあった設備や得られたスキルです。

特にPCRと免疫染色に関しては、本当に数え切れないくらいやりました。

いやぁ〜、よくあそこまで辛抱強く、同じ実験を何度も何度も繰り返しできたなぁ。

大学院時代の俺、お疲れ!

 

4. 就活で有利になる

まぁ、実際に医学研究科であることが有利に働いたのかはわからないのですが、いちおう今は医療機器メーカーで研究開発をすることができています。

 

客観的に見て、理学部よりも医学部って言った方が試験官の方々にも興味を持ってもらえるかなと思って「よっしゃ、それならそっち行った方がいいしょ!」ってノリで医学研究科を選びました。

まぁ、間違った判断ではなかったなと思ってます。

大して頭良くもないのに、これによって実力を盛ることができました。

戦略って大事ですね。

ゲヘヘ。

 

5. 友達に自慢できる

これはもう、ただの下心です。

医学研究科に入学すれば、「俺、医学研究科で不妊治療の研究してるんだよねぇ〜。」って友達にドヤ顔で自慢しまくれるなと思いました。

ぶっちゃけ、やりがいとか就活に役立つとか、そういうことよりも真っ先にこのことが頭に思い浮かびました。

 

実際に友達に自慢した時の「すげぇ〜。」という声は、すごく快感でした。

でも、入学してすぐに自分のレベルの低さに気づいて「ヤベェ。俺ついていけないかも。」と弱気になりました。

アホですね。

自分の実力を考慮していませんでした。

そして実際、卒業するまでにはかなりの苦労をしました。

 

でもまぁ、間違いなく大学院に行って研究者としての実力は飛躍的に伸びたので、この選択に間違いはなかったと胸を張って言えます。

何はともあれ、結果オーライですね。

もう一回同じ大学院行けって言われたら絶対に嫌だけど、それでもいい経験でした。

 

まとめ

医学研究科では、理学部ではできないような色んな経験をさせてもらいました。

近くには大学病院もあるし、ここまで近い距離で医療と向き合いながら研究ができることは、そうそうないと思います。

毎日の学生生活の中で、お医者さんや患者様を目にする機会があり、それまでの学生生活と比べても命に対してより真剣に向き合えるようになりました。

 

もし読者の皆さんの中で、大学院への進学を考えているのであれば、医学研究科も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

頭の悪いぼくでも入試で入ることができたので、そこまでハードルが高いってわけでもないと思います。

必死で勉強すれば可能性はあると思うので、挑戦したい方はぜひ頑張ってみてください。

 

横浜市立大学は、海も近いし、シーパラも近いし、わりと立地的にもいいところだと思いますよ。

ぼくは、教授がいない時はよくシーパラ行ってサボってました。

 

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